先日(とは言っても1ヶ月前ですが)のファンフェスで、新ジョブ「踊り子」が実装され、
ロールはまさかの 遠距離DPS であることが発表されました。

多くの方は踊り子についてヒーラージョブであることを予想していたと思うので、これは驚きだったと思います。
私も5.xではヒーラーを4ジョブにしてバランスを取っていくと思っていたのでこの発表は予想外でしたね。

後のインタビューで吉田Pは「ヒーラーは(まず)3ジョブのバランスを徹底したほうがいいかな」と答えています。
(参考:【FFXIV FAN FES】「FFXIV 漆黒のヴィランズ」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー

確かに、ヒーラーは占星術師が実装されたパッチ3.0から、一度も完全なバランスが取れたことはなく、攻略段階で白占を取るPTは今までほぼ無かったのではないかと思います。
そこで、現状の3ジョブの”特徴”を残した状態でバランスを取ることができるのか、少し考えてみたいと思います。

もちろん、パッチ5.xではバトルシステムが大きく変わることが予想されているため、
あくまで現状のバトルシステムになぞった形の推測でしかありませんので、ただの妄想記事としてお読みいただければと思います。

パッチ3.0~4.5のジョブバランスを簡単に振り返る

まずは占星術師が実装されたパッチ3.0から、4.5までのジョブバランスをざっくり振り返ってみることにします。

パッチ3.0

パッチ3.0といえば、占星術師最も不遇な時代でした。
ダイアーナルセクト、ノクターナルセクトの2つのスタンスによって、白魔道士の役割、学者としての役割どちらも担えるという特性があるものの、
それぞれのスタンス時における回復性能は白魔道士、学者どちらにも劣っていました。

それに加え、侵攻零式という特殊なコンテンツを除いた零式コンテンツの中で起動編は最も難易度が高く、また範囲攻撃のダメージの多さからヒール量、バリア量(特に3層の全体範囲は鼓舞展開or士気陣ウイルスが必須だった)ともに多くを要求されていたため、占星術師ではまずクリアできないと当時コンテンツを現役でやっていた方は感じていたと思います。

パッチ3.2

占星術師の問題点が少しずつ解消されていき、パッチ3.2の律動編では少しでも火力チェックを緩くするために占学を選択するPTもで始めました。

しかし、パッチ3.0からの影響で多くのPTでは白学を選択しており、白占で攻略したPTは0と言っても過言ではなかったと思います。
実際消化で装備が揃ってきた段階で白占で律動編4に挑戦し、クリアをしたことがありますが、まぁまず選択肢としてはあり得ないなというのが感想でした。

パッチ3.4

この頃は占星の評価も少しずつ見直され、また天動編はこれまでの零式コンテンツの中で最も簡単だったこともあり、占学PTがかなり増えてきました。

実際私も攻略時こそ白学でしたが、消化の際は占星術師を出して占学で消化した週も結構ありました。
インスタントの範囲ヒール(今でいうアーサリスター)が無いため、立て直しのパワーは白には劣りますが、
当時はシナストリーがかなり強かった印象があります。(天動4層の雑魚フェーズなんかは白よりも回復が楽でした)

パッチ4.x

パッチ4.xでは、占星術師にインスタント範囲ヒールが追加され、ダイア占の性能も白に一歩近づきました。
攻略時は占学、白学どちらも採用される傾向にあります。

一方で、トップ層やTA勢は基本的に占学を選択しています。白学という選択肢は最早無いものといっても過言ではないですね。
特にTAでは占星術師のカードや学者の連環計は必須レベルでした。

絶バハにおいては、散開→集合→散開といったような、全員が集まっている短い期間でのヒールを要求されたりと、白の方がいろいろと勝手がよかったため、白学PTが多かったと思います。
一方で絶アルテマは白学、占学どちらの構成でもOKといった感じですが、最終アルテマフェーズではそこそこの火力を要求されるため、占星を採用するPTが多かった印象です。

 

現状のヒーラーバランス

ノクタ占の有用性

ここまでのヒーラーの変遷を振り返ってきましたが、白占という組み合わせは、滅多に見たいレベルです。
それは、ノクタ占と学者を比較したときに、学者の性能が一歩抜きん出ている点もあります。

しかし、現状のノクタ占は決して弱いわけではありません。
学者の鼓舞や士気にあたるアスペクト・ベネフィク、アスペクト・ヘリオスは学者に比べてMPコストが安いですし、特にアスペクト・ベネフィクは詠唱がないので、咄嗟のヒールにかなり役立ちます。

また、学者と異なりベネフィラやヘリオスといったヒールスキルを持ち合わせているため、
白占の組み合わせの場合、占星がメインヒーラー、白魔がサブヒーラー(HoTヒーラー)という役回りをすることで
効率よくヒール、攻撃をすることができます。

アルファ編零式4層の早期攻略でもノクタ占を採用しているPTがあります。
しかし、その組み合わせはなんと白占という組み合わせではなく、学者+ノクタ占という意外な組み合わせです。

早期攻略組やTA勢において、ヒーラーとしての性能にヒール性能はあまり加味されない。

なぜ白占というジョブ構成が選択されないのか、それは単純に”シナジー”の問題です。
(早期でレイド攻略しているような人たちから見れば当たり前のことですね)

現状の零式シリーズは適正装備、そして全員が必要最低限の火力を出すメンバーであれば
実際白占でも学占でも白学でもクリアできます。

しかし、早期攻略の段階においては、その「適正装備」を持ち合わせていない状態でコンテンツをクリアする必要があります。
適正装備が無い状態でコンテンツをクリアするにはもちろん個々人のスキルも重要ですが、
それ以上にシナジーが重要になってきます。
FF14で全員が火力を出すためにはシナジー合わせがかなり重要です。
トップを行く固定PTが、運営の想像以上のPT火力を出すのは、個人のスキル回しは勿論のこと、このシナジー合わせが非常に上手いからですね。
そして、学者と占星術師には現状「連環計」と「カード」というシナジーがある。
そうなれば早期攻略勢やTA勢は、占星術師のヒール量で問題が無ければ当然占学を選択することになります。

パッチ3.0で占星術師が採用されてこなかったのは、単純に要求されるヒール量が当時の占星術師にとってかなり高い数値だったためです。
最早ヒール性能というのは「最低限あれば十分」であり、そこから先早期攻略やTA勢にとっては各ヒーラーの出せる火力とシナジーだけで決まります。

一方で後発組は…

零式を実装から2週間~3週間程度で踏破する、いわゆる早期攻略を目指す中でもトップ層を除くプレイヤーは、
基本的にW1st~3rdぐらいまでのPTを参考にジョブ構成を途中で変えたりすることも多いです。
この段階では、基本的にまだ適正装備が揃ってるとは言えないので、やはり必要な火力を満たすにはトップ層を真似るのが手っ取り早いわけですね。

そういうわけでクリアPTは次々と増えていくわけですが、その多くはトップ層の構成を真似たPTが多くなります。

後発組はジョブバランスやPT構成について自分で考えることはあまりしないので、当然多いPT構成=強いジョブを揃えているという印象を受けます。
そうなれば装備が揃っているような段階であっても、そういったジョブが要求されていきます。
特に野良PTの場合は全員が必要最低限のPSを兼ね備えているとは限らないので、尚更ですね。

アルファ編4層前半は、デルタ、シグマ編の4層前半に比べて若干要求されるDPSが高いため、
装備が揃いつつある段階でも白をハブる募集も結構ありました。

現状の課題

学者は妖精も強いが連環計が何より強い

吉Pはどこかのインタビューで「妖精が強い」と言っていました。確かに妖精は強いです。
4.0で実装されたエーテルパクトもかなりの良性能です。

ただ現状の設定でもレベルが上がるにつれて学者本体の回復量とフェアリーの回復量に差がでてくるので、
レベル70から80に上がった際には学者のHPSに対するフェアリーのHPSの割合は自然と減っていきます(あくまで現状の設定が続くのであればですが)。

ただ自分はそれよりも連環計が何より強いと思いますね。竜騎士のリタニーと合わせれば気持ちいいぐらいクリティカル出ますからね(運に左右されることはありますが)。
竜騎士のリタニーがリキャスト180sに対して20秒、学者の連環計がリキャスト120sに対して15秒なので、
それを考えればヒーラージョブに実装されてるシナジーとしてはかなりの高性能だと分かるんじゃないかと思います。
そりゃ白より学者取りますよ…。

占星術士

正直今の3ジョブでバランスを取る際にネックとなるのがこの占星術師です。
現状はダイア占がコンテンツクリアに十分余裕なヒール能力を満たしている上でカードがあるため、白の立ち位置を確保しています。
この状態でノクタ占が現状の学者としての役割を十分に務められるようになったらどうでしょうか。
カードがある以上、ピュアヒーラー、バリアヒーラーとしての仕事が十分できる限り、占星術師は選択されます。
つまり、白学という選択肢は消え去り、占学か白占、あるいは占占を選択するようになるでしょうね。

つまり、現状のバランスで席が保証されている学者の立ち位置を占星が担うような形になります。

バリア必須

零式コンテンツのHPチェックは、早期段階では当然必要なところにしっかりバリア(鼓舞、ノクターナルフィールド)が入っている必要があります。
装備が揃っていれば必須な箇所は減りますが、それでも履行技のような大技にはバリアや陣が必要です。

そうなれば学者かノクタ占の少なくともどちらか一方は選択しなければなりません。

プレイヤーの意識

ここまで結構早期攻略勢やTA勢に関する話に触れてきましたが、
本来そういったトップ層というのはちょっと特殊なので、本来ジョブバランスを取る際にはあまり考えない方が理想的だとは思います。

しかし、多くのプレイヤーはトップ層の動向を見てジョブ性能を判断します。
彼らにとってはトップ層=最適解であり、そういった意識が根付いている以上は、
トップ層の動向に関しては考慮から外せないと思います。

そして当然トップ層はヒール性能だけでなく、シナジーや火力の性能を見た上でジョブを決めるので、
ヒーラーに要求されるDPSを0と考えてコンテンツを作ろうとも、全てのバランスを考えなければなりません。

 

5.xでどうなるのか…

長々と書いてきましたが、現状の課題を考えるとこの3ジョブでバランスを取るのは5.xでも難しいと思いますね。

私はヒーラーを4ジョブにして、占星術師のスタンス制度を廃止し、
白占をピュアヒーラーの立ち位置として固定し、学+新ジョブをバリアヒーラーの立ち位置として固定化のが手っ取り早いと思ってました。

そもそも現状ピュアヒーラー、バリアヒーラーという明確なヒーラーとしての役割分担がある以上、
そのどちらもこなすことができるジョブがいる状態で、どの組み合わせの余地も残せるようにジョブバランスを取るなんて無理に等しいと思います。
5.xのバトルシステムの改良で、そういう役割の分担という概念を無くすような大改修でもすれば可能性はあるかもしれませんが、
そうなると過去のコンテンツ設計にも大きな影響が出ると思うので、そこまで手を入れてくるとはあまり考えられませんね…。

とりあえずは5月のPLL、バトルジョブ特集を待ちたいと思います。